Netflix映画『ザ・ラストハウス』レビュー:極限下のSFサスペンスと人間ドラマ

Netflix映画『ザ・ラストハウス』レビュー:極限下のSFサスペンスと人間ドラマ
この記事のポイント

家から出られなくなった4人家族が直面する、減りゆく食料と正体のわからない脅威。密室劇かと思いきや物語は予想外の方向へ……見終わった後に残る独特の後味を考察。

Netflixの週間ランキングを見るのが習慣になっている。

そこで見つけたのが、2026年のNetflix映画『ザ・ラストハウス』だった。

家から出られなくなった4人家族が、減っていく食料と正体の分からない脅威に向き合いながら、生き延びる道を探すSFサスペンスだ。

最初は、もっと現実に寄った密室劇だと思っていた。だから、物語の途中で予想外の存在が見えてきたときは驚いた。モンスターが出てくる作品だとは思っていなかったからだ。

ただ、観終わったあとに残ったのは、恐怖よりも別の感情だった。

「考えさせられた」

何についてか。

恨みを手放すことについてだ。

怒りの中にいる父親を止めた、子どもたちの言葉

※ここから物語の終盤へ軽く触れます。

家族を守ろうとする父親は、怒りに任せて行動しようとする。

そのとき、子どもたちが「許してあげて」と伝える。僕にはそう聞こえた。

怒っている父親を、子どもの優しさが一度立ち止まらせた。

大人が子どもを守る話は多い。でも、この場面では、子どもたちの言葉が父親の心を守っていたように見えた。

相手を許すのは、相手のしたことを正しいと認める行為ではない。

自分の中にある怒りに、これ以上すべてを支配させないための選択でもある。

この作品を観て、そんなことを考えた。

生きるだけで精一杯でも、人は誰かを助けられる

作中の家族は、自分たちが生き延びるだけで精一杯だ。

食料も安全も十分ではない。それでも誰かを助ける。傷つけば恨みも生まれる。それでも、どこかで恨みを手放し、もう一度誰かを助けようとする。

優しさは、余裕がある人だけのものではないのかもしれない。

余裕がないときに何を選ぶか。そこに、その人や家族の本当の姿が出る。

『ザ・ラストハウス』は、閉じ込められた家族のサバイバルを描きながら、人と人のあいだに優しさを残せるかを問いかけてくる作品だった。

家族には、不満が溜まる。それでも戻れる

家族とずっと一緒に過ごしていれば、不満が溜まることもある。

近いからこそ、言葉が荒くなる。分かってくれるはずだと思い、相手への配慮を忘れる日もある。

それでも家族が戻れるのは、正しさだけで互いを測っていないからだと思う。

そこに優しさというものさしがある。

誰が正しかったかではなく、もう一度一緒に生きるには何を選ぶか。

この映画の家族も、完璧だからつながっていたわけではない。追い詰められ、怒り、迷いながら、それでも最後は優しさを選ぼうとした。

家族と過ごしている人に観てほしい。

身近な人への不満が溜まっているときほど、この物語から受け取るものがあるかもしれない。

恨みを手放したから、すべてが元通りになるわけではない。

でも、そこからもう一度、誰かを助けることはできる。

優しさは、帰る場所ではない。

戻るために、自分たちで持ち続けるものなのだと思う。


作品情報

作品名: ザ・ラストハウス
原題: The Last House
公開年: 2026年
ジャンル: SFホラー/サスペンス
上映時間: 1時間50分
監督: ルイ・ルテリエ
脚本: マシュー・ロビンソン
主な出演者: グレタ・リー、ワグネル・モウラ、ライリー・チョン、ノア・アレクサンダー・ソスノフスキ
配信: Netflix

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壱
記事執筆・検証

渋沢A壱 (Shibusawa A-Ichi)

「でじたるあそび」編集長。AI、デジタル、エンタメ、暮らしの気になるテーマを、好奇心のままに試して発信しています。

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