はじめ出版
まだ開いていない店
内容
工場のサイレンで時計を合わせる街。大人たちは口をそろえて言う。「お偉いさんが決めたことだから」「俺たちには関係ないさ」。
十二歳のハルは、友だちのソラと、商店街の裏で閉まりかけた本屋を見つける。シャッターには一枚の貼り紙。〈店を開きたい人、募集します。ただし、準備ができた人はお断りします。〉
閉店まであと一か月。ハルとソラは、店主のマキさんがもう一度店を開けたくなる「理由」を探しはじめる。パンを焼かなかった工場長、歌うのをやめた食堂の早苗さん、行き先のない路線図を持つバス運転手。街の人たちが取りに来なかった「取り置きの本」には、それぞれの昔の夢が挟まっていた。
先に結果を出していく友だちへの焦り。笑われることへの怖さ。それでも、ハルは一冊ずつ、本を持ち主に届けに行く。
準備ができるまで待っていた人と、準備のないまま動きはじめた子ども。まだ報われていない人が、明日も何かを始めたくなる物語。
購入できる形式
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著者
著者:渋沢A壱
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