はじめに:教えるサロンが増えている
ここ数年、美容業界では「サロンが教育を始める」流れが加速しています。
特にマツエク(アイラッシュ)分野では、サロンオーナーが講師として技術を教えるケースが増え、
“学べるサロン”という新しい価値が生まれています。
ただ、そうした教育活動を「Webでどう伝えるか」という課題は少なくありません。
現場の技術や温度感をそのままオンライン化するのは、簡単なことではないからです。
今回紹介するのは、実際に私が携わった マツエクサロンのオンラインスクール構築プロジェクト。
実名は出しませんが、サロン現場の想いと、それをWordPressでどう形にしたかを実録としてまとめました。
あるオーナーの言葉から始まったプロジェクト
このプロジェクトの始まりは、サロンオーナーの一言でした。
「自分が培ってきた技術を、遠くの人にも届けたい」
その想いをきっかけに、サロンの教育事業化が動き出しました。
リアル店舗で教えていた内容をオンラインで発信し、全国から受講できる仕組みを作る。
それが今回のゴールでした。
プロジェクトの目的:リアルの温度を残したままオンライン化する
サロンの施術や教育は「手」だけでなく「空気感」も大切です。
それをどうWeb上で表現するかが、最大のテーマでした。
私が担当したのは以下の領域です。
- WordPressサイト構築
- ドメイン・DNS設定(ConoHa WING+お名前.com)
- デザイン設計
- SEO・発信導線構築
一見するとシンプルなサイト制作ですが、実際には
**「教育」「ブランド」「運用」**の3つを両立させる難しさがありました。
サロンオーナーの想いを整理するところから
まず行ったのは、オーナーの頭の中にある「伝えたいこと」の言語化です。
多くのオーナーは技術力が高い反面、それを言葉で説明することに慣れていません。
そこで、ヒアリングを通して以下のような構成を明確にしました。
- サロンとしての理念
- 教育の目的とゴール
- 受講対象者(初心者/現役アイリスト/開業志望)
- 学びの形(オンライン/対面ハイブリッド)
この整理ができた段階で、「Webで伝える設計図」が見え始めます。
ドメイン構成と技術環境の設計
このサロンはすでに店舗サイトを運営していたため、
教育事業を別ディレクトリで展開する構成を採用しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サーバー | ConoHa WING |
| ドメイン | 独自ドメインを継続利用 |
| CMS | WordPress |
| メール | お名前.comメール(MX設定を手動追加) |
| ディレクトリ構成 | メインサイト+スクールサイト(/school/) |
DNS設定では、過去に経験した「メール不達トラブル」を避けるため、
ConoHaでのゾーン管理+MXレコード設定(mx01/mx02.gmoserver.jp)を慎重に実施。
SPF設定も追加し、メール到達率の安定化を確認しました。
このように、サロンのWeb運用と教育事業を共存させるための技術設計を整えました。
WordPressを選んだ理由:発信を止めないために
オンラインスクールでは、
講座情報・講師紹介・受講者の声など、継続的な更新が必要です。
そのため、更新の自由度とSEOの強さを両立できるWordPressを採用しました。
構築ポイント
- オーナー自身が記事を投稿できる管理画面構成
- スマホでも見やすいブロックデザイン
- 動画・画像をブロック単位で挿入可能
- 受講者専用の限定記事機能(パスワード保護)
WordPressをベースにすることで、
「講座を追加したい」「写真を差し替えたい」といった更新を、
オーナー自身で完結できるようになりました。
デザイン:サロンの空気をそのままWebへ
サロンの魅力は「人」と「空間」。
Webデザインではその両方を伝えることを意識しました。
- 背景カラーは柔らかな生成りベージュ
- フォントは細身のサンセリフで上品に
- 写真は自然光を活かし、温かみを演出
- トップページでは「学びの循環」を表現するコピーを配置
見た瞬間に“サロンらしさ”を感じる。
そんな世界観づくりを重視しました。
講座構成と情報設計
オンラインスクール化にあたり、情報設計を次のように整理しました。
| ページ構成 | 内容 |
|---|---|
| トップページ | コンセプト・講座一覧・お申し込み導線 |
| 講座ページ | カリキュラム内容/講師紹介/動画埋め込み |
| お知らせ | イベント・募集告知など |
| 受講者の声 | 信頼構築のための実績ページ |
| お問い合わせ | LINE・メール両対応 |
この構成は、どのサロンでも応用できる基本形です。
WordPressのカテゴリー機能を使うことで、
新しい講座や生徒の声を追加しても自動的にページが整列します。
現場の想いを“デザインと言葉”で翻訳する
サイト制作を進める中で強く感じたのは、
「技術よりも想いをどう伝えるか」 が最も大事だということ。
サロンオーナーは常に人に向き合い、
一人ひとりの目元を通して自信を届けています。
それを文章や画像で伝えるには、
「なぜこの仕事をしているのか」「誰のために学びを届けたいのか」を
何度も掘り下げて形にしました。
結果、デザインも文章も、すべてに“その人らしさ”が宿るサイトになりました。
オンラインスクール化で変わったこと
サイト公開後、すぐに変化が現れました。
- 新規の受講希望者がLINE経由で増加
- SNSからの問い合わせ導線が機能
- 既存のサロン顧客が講座に参加するケースも
さらに、Webで教育を発信することで、
オーナー自身が自分の想いを再確認する時間にもなりました。
「学びを届けること」が、サロンの新しいブランディングになっていったのです。
他サロンにも広がる可能性
今回のオンラインスクール構築を通して感じたのは、
この仕組みは他のサロンでも再現できるということ。
WordPressを使えば、特別なシステムを導入しなくても
十分に実用的なオンライン講座サイトを運営できます。
たとえば:
- ネイルサロンが技術講座を開く
- エステサロンがホームケア講座を発信する
- 美容師がアレンジ動画講座を提供する
いずれも「店舗の強みをそのまま教える」構成で展開可能です。
サロン業界は人の手で成り立つ世界ですが、
その手の温もりを“オンラインでも伝えられる時代”になっています。
オンライン化は、想いを拡張するための選択肢
多くの人が「デジタル=冷たい」と感じがちですが、
本質はその逆です。
オンライン化は、時間や距離の制限を超えて“想いを届ける”ための手段。
現場で生まれた情熱を、もっと多くの人に伝えるための仕組みです。
実際、今回のサロンオーナーも「遠方の受講生ができた」と喜んでおり、
オンライン化が“人を減らす”のではなく、“関係を増やす”形に変わっています。
制作を終えて感じたこと
今回の制作を通して私自身が学んだのは、
Web制作は「技術」ではなく「通訳」 だということ。
サロンオーナーの想いを、デザインや文章という言語に翻訳する。
それができて初めて、「温度のあるサイト」が生まれます。
そしてそのサイトは、時間が経つほどに人をつなぎ、
学びの場やビジネスの場を広げていきます。
まとめ:オンラインスクールは“想いの循環”
美容の現場で生まれた技術や経験は、
教えることで次の世代へと受け継がれます。
オンラインスクールは、その循環を広げる仕組みです。
サロンの教育化は、業界全体を底上げする新しい流れでもあります。
もしこの記事を読んでいる方が、
「自分のサロンでも教育を始めたい」「Webで形にしたい」と考えているなら、
まずは小さく始めてみてください。
WordPressと少しの知識があれば、
想いを全国に届ける仕組みは必ず作れます。
執筆:渋沢A壱(でじたるあそび編集部)
WordPress制作・オンラインスクール構築・サロンブランディングを中心に、
美容・クリエイティブ業界のデジタル化をサポートしています。
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