安全圏からの解説者たち
プロジェクトが終わった後、あるいはイベントが無事に終了した後。 「あの時はこうすべきだった」「実は危ないと思っていた」と、雄弁に語り出す人たちがいます。 すべてが終わった安全地帯から、まるで最初から答えを知っていたかのように解説を加える「後出し」の言葉たち。
渦中で必死にもがいていた時には、沈黙を守っていたはずの彼らが、結果が出た途端に批評家へと変貌する。 その言葉を聞きながら、「それなら、あの時言ってくれればよかったのに」という思いが頭をかすめます。
日常に潜むこの違和感は、頑張った人の心に小さな棘を残します。 結果論で語られる物語と、現場で流した汗の重さとの間にある、埋まらない溝について考えてみます。
沈黙と雄弁のタイミング
ゴール後の喧騒と違和感
走り終えた後の余韻に浸る間もなく、周囲の声が大きくなる瞬間があります。主人公は、その温度差に戸惑いながら呟きます。
「ゴールしてから、急に語り出すやつおるやん。走ってる時は、静かやったのにな」
走っている最中、つまりプロセスが進行中で結果が不透明なとき、人はリスクを恐れて沈黙しがちです。 間違ったことを言いたくない、責任を取りたくない。 その防衛本能が口を閉ざさせます。
しかし、ゴールが見え、結果が確定した瞬間、リスクは消滅します。 確定した事実に対して意見を述べることは、誰にでもできる安全な娯楽です。 急に語り出す彼らは、悪意があるわけではなく、単に「正解が分かってから答え合わせに参加したい」という心理が働いているだけかもしれません。 けれど、ランナーにとって重要なのは、不確定な霧の中での羅針盤でした。
終わってからなら何とでも言える
くノ一が冷めた視線で指摘します。
「終わってから偉そうに言う人、おるよな」
忍者(マスク無し)も同意します。
「走ってる最中は、黙ってたくせにな」
この「偉そう」に見えるメカニズムは、情報の非対称性が解消された後に発生します。 結果を知っている「現在」の視点から、情報を知らなかった「過去」の行動を裁くことは、フェアではありません。 しかし、人は往々にしてこの「後知恵バイアス」に陥ります。
七命図の視点で見れば、これは「役割の固定化」とも言えます。 彼らは「プレイヤー」ではなく「観客」あるいは「解説者」という役割を自ら選んで演じているのです。 プレイヤーと同じ土俵には立っていない。そう認識することで、彼らの言葉を感情的に受け取らず、単なるBGMとして処理できるかもしれません。
記憶に残る「声」とは
花魁の言葉が、本当に大切なものを思い出させてくれます。
「結果出てから語る人より、途中で声かけてくれた人覚えてるわ」
苦しい中盤、先が見えない上り坂、誰もが疑心暗鬼になっていた時。 「大丈夫?」「水飲む?」と、短くても温かい声をかけてくれた人。 あるいは、言葉はなくとも、ただ横で一緒に走ってくれた人。
記憶に刻まれるのは、安全圏からの批評ではなく、危険地帯での連帯です。 結果がどうなるか分からない不安の中で、リスクを共有し、感情を受け渡してくれた存在。 それこそが、得難い「関係性」の証です。 ゴール後の解説者たちの声がかき消してしまう前に、あの苦しい時に誰がそばにいたかを、しっかりと心に留めておきたいものです。
後出しをしない美学
猫が潔く鳴きます。
「にゃー(猫は後出しせんで)」
動物は「今」を生きています。過去を振り返って解説したりしません。 その潔さは、私たちが目指すべき一つの在り方かもしれません。
もし自分が語る側に回るときは、結果が出てからではなく、プロセスの中で声をかける勇気を持ちたい。 「こうすべきだった」ではなく、「次はこうしよう」と未来を語る言葉を選びたい。 猫のように、その瞬間瞬間に正直であることのほうが、どれほど健全でしょうか。
静かなランナーへの敬意
ゴール後の喧騒の中で、饒舌に語る人たちを横目に、黙って靴紐を解く人たちがいます。 彼らは多くを語りませんが、その背中からは、走りきった者だけが持つ熱気が立ち上っています。
言葉の数よりも、流した汗の量。 批評の鋭さよりも、踏み出した一歩の重さ。 本当に価値があるのは、語られなかった物語の中にあります。
あなたは、解説者たちの言葉に惑わされる必要はありません。 あなたの走りは、あなた自身の体と、途中で目を合わせて頷き合った仲間たちだけが知っていれば、それで十分なのです。
▼ ラジオで聴く(声の温度)
文字とは少し違う温度で、 同じテーマを静かに話しています。 夜に向いているかもしれません。
YouTube https://www.youtube.com/@shibusawa_eichi
Podcast(Spotify) https://open.spotify.com/show/14TYMbwp9zU4SVSsPvWj3S
▼ 手元に残す(七命図)
迷ったときに、 同じページへ戻れるように。 七命図としてまとめた形もあります。
Amazon(Kindle) https://amzn.asia/d/dZHup4T
あなたの“好き”を配信に変えてみませんか!
ゲーム、雑談、メイク、歌…
ひとつの好きが、誰かの光になる瞬間があります!
私たちはTikTok公認のライバー事務所として、
初配信からのスタートも、あなたのペースでサポートします!
スマホひとつで始められるので、全国どこからでも参加できます!



