流れていればいい、という音楽
作業中、なにか音が欲しくなることがある。
静かすぎると落ち着かない。でも、歌詞が耳に入ってくると手が止まる。テンションが高すぎると疲れるし、暗すぎると気分が沈む。ちょうどいい音楽を探して、SpotifyやYouTubeをさまよった経験は誰にでもあると思う。
自分もそうだった。配信のBGMを探すとき、作業用の音楽を選ぶとき、いつも「これでいいか」という妥協で決めていた。悪くはない。でも、しっくりこない。
たぶん、欲しかったのは「聴く音楽」じゃなくて「置いておける音楽」だったんだと思う。
主張しない。邪魔しない。でも、そこにあると少しだけ空気が変わる。そういうものが欲しかった。
探しても見つからないなら、作ってみようか。そう思ったのが始まりだった。
「邪魔にならない」の難しさ
SUNOというAI音楽生成ツールを使って、約59分、全19曲のBGMプレイリストを作った。
ジャンルはDeep House、Lofi House、Minimalあたり。BPMは122で統一。洋楽テイストで、ボーカルは入っているけど、歌詞が前に出すぎない構成を目指した。
作り始めてすぐに分かったのは、「邪魔にならない音楽」を作るのは、思った以上に難しいということだった。
普通、曲を作るときは「どう聴かせるか」を考える。サビで盛り上げる、展開で驚かせる、歌詞で感動させる。でも、BGMに求められるのはその逆だ。聴かせない。引っかからない。意識させない。
最初に作った数曲は、どれも「曲として良い」ものになってしまった。メロディが印象的すぎたり、ボーカルが主張しすぎたり、展開が劇的すぎたり。単体で聴けば悪くない。でも、作業のお供にはならない。
「気分は上がるけど邪魔にならない」というバランスは、言葉にすると簡単だけど、実際にそこに着地させるのは本当に繊細な作業だった。
曲の長さという問題
もうひとつ、意外と悩んだのが曲の長さだった。
AIで生成される曲は、だいたい2〜4分程度になる。ポップスとしては普通だけど、BGMとしては短い。1時間のプレイリストを作ろうとすると、20曲近く必要になる。
曲数が増えると、曲と曲の「つなぎ」が問題になる。雰囲気が変わりすぎると、そこで意識が引っ張られる。かといって、全部同じだと単調になる。
結局、19曲すべてを「同じ時間帯の、同じ空気の中にある」という設定で作ることにした。感情の起伏はつけない。ドラマチックな展開もない。ただ、視点や距離感が少しずつ違う。そういうイメージ。
朝から夜へ、とか、悲しみから喜びへ、とか、そういう物語は持たせなかった。どこから聴き始めても、どこで止めても、違和感がないように。流れの中にいる感覚だけを残した。
AIに任せたこと、自分で決めたこと
「AIで音楽を作る」というと、ボタンひとつで全部できあがるようなイメージがあるかもしれない。実際、技術的にはそれに近いことも可能だ。
でも今回、自分がやったのはそういう作り方ではなかった。
AIに任せたのは、音の生成そのものだ。メロディ、コード、アレンジ、ミックス。そこは完全にAIの領域だった。自分には作れないし、作ろうとも思わなかった。
一方で、自分が決めたのは「どういう音楽にするか」という設計の部分だった。
BPMは122。ジャンルはDeep House寄り。ボーカルは男性。感情的だけど落ち着いている。歌詞は意味が取れるけど、解釈がひとつに定まらない。評価する言葉は使わない。希望を直接示す言葉も使わない。
こういう条件を決めて、それに沿うようにAIに指示を出し、生成された曲を聴いて、合わないものは弾いて、近いものを残す。その繰り返しだった。
歌詞も、最初はAIが生成したものをそのまま使おうとした。でも、どうしても「前向きすぎる」「断定的すぎる」「感情が強すぎる」ものが多かった。
結局、歌詞の方向性は自分で細かく指定することになった。「前向きだけど、無理に元気づけない」「答えを与えない」「今の状態を否定しない」「変化や成長を強要しない」。そういうトーンを言葉にして、何度もやり直した。
全部AIでもないし、全部自分でもない。その間のどこかで、なんとか形になった。
「置いておけるもの」ができた
完成したプレイリストをYouTubeに上げた。映像はループ前提のシンプルなビジュアル。派手な演出はない。ただ、音が流れている。59分間。
再生数がどうとか、評価がどうとか、そういうことはあまり考えなかった。
ただ、自分が「これでいい」と思える音が、ひとつの形になった。それだけで十分だった。
作業するとき、自分で流してみる。配信のBGMに使ってみる。寝る前にかけてみる。どの場面でも、邪魔にならない。でも、あると少しだけ空気が変わる。
探していたものが、たぶん、これだったんだと思う。
数字や反応で測れるものではない。でも、「置いておけるもの」ができた、という感覚がある。それは静かだけど、確かな手応えだった。
最後に
この記事は「こうすればうまくいく」という話ではない。
AIを使えば誰でも簡単に、とも言わない。実際、思った以上に手間がかかったし、何度もやり直した。完成したものが「正解」かどうかも分からない。
ただ、「こういうものが欲しい」という感覚があって、それを形にしてみた。その過程で気づいたことを、記録として残しておきたかった。
もし、同じように「ちょうどいい音楽がない」と感じている人がいたら、作ってみるのもひとつの選択肢かもしれない。うまくいくかは分からない。でも、試してみる価値はあると思う。
自分にとって「置いておけるもの」は、探すより作るほうが早いこともある。
使用ツール:SUNO v4.5
制作期間:約2週間
完成尺:約59分(全19曲)
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