【実録】WordPress移行でメールが届かなくなった!ConoHaとお名前.comのDNS設定ミスで学んだ再発防止策まとめ
はじめに:サイトは動いているのに、メールだけ届かない!?
WordPressのサーバー移行は、一見すると「ファイルとデータベースを移すだけ」と思われがちです。
しかし、今回「でじたるあそび」編集部が実際に体験したのは、サイトは正常に稼働しているのに、メールだけ完全に止まるというトラブルでした。
結論から言うと、原因は ConoHa WING 側に設定したDNSゾーンでMXレコードを引き継がなかったこと。
たったそれだけで、すべてのメールが宙に浮いた状態になり、問い合わせも顧客メールも一時的に不達となってしまいました。
この記事では、
- どんな経緯で発生したのか
- どうやって原因を特定したのか
- どのように復旧したのか
- 同じ失敗を繰り返さないための再発防止策
これらを実際の設定画面と手順をもとに詳しく解説します。
同様に「お名前.comのメールを使いながらConoHaにWordPressを移行したい」方は、必ず最後まで読んでください。
トラブルの発生:ConoHa WINGへの移行直後にメール不達
2025年10月初旬、eyerees.com ドメインを「お名前.com」で管理しつつ、WordPressの運用サーバーを ConoHa WING へ切り替えました。
WordPressの移行は問題なく完了し、サイトは無事に表示。SSL化やリダイレクト設定も正常に動作しており、「完璧な移行」と思っていました。
しかし翌日、ある取引先から「メールがエラーで返ってきた」との連絡。
試しに Gmail から自分宛に送ってみると、550エラー(Recipient address rejected) が返ってきます。
メールが届かない。だけどサイトは表示されている。
この時点で真っ先に疑うべきは「DNS設定」でした。
原因の特定:DNS管理をConoHaに移したことでMXレコードが消滅
今回の移行では、ネームサーバー(DNS管理)をお名前.com → ConoHa側に変更していました。
WordPressの表示をConoHaで行うための正しい手順でしたが、ここに思わぬ落とし穴がありました。
お名前メール(お名前.comメール)を継続して使う場合、ConoHaのDNSゾーンにもお名前メール用のMXレコードを手動で追加する必要があります。
ところが、この設定を忘れたままDNSを切り替えてしまったため、メールの配送先が存在しない状態になっていたのです。
つまり、ConoHaではこう見えていました。
| 種別 | 設定値 | 状態 |
|---|---|---|
| Aレコード | ConoHaサーバーIP(Web) | ✅ 正常 |
| MXレコード | (空欄・未設定) | ⚠️ 不達 |
| CNAME | www → eyerees.com | ✅ 正常 |
DNSサーバーは世界中にキャッシュされる仕組みなので、設定ミスが反映してしまうと全世界でメールが届かない状態になります。
これに気づかず数時間放置してしまったことで、社内外の複数メールがロストしていました。
修正手順:ConoHa DNSでお名前メールのMXレコードを手動追加
問題がわかれば対処は簡単です。
ConoHa WING のコントロールパネルから「DNS」→「対象ドメイン」→「DNSレコード設定」を開き、以下のMXレコードを追加しました。
| ホスト名 | 種別 | 値 | 優先度 |
|---|---|---|---|
| @ | MX | mx01.gmoserver.jp. | 10 |
| @ | MX | mx02.gmoserver.jp. | 20 |
この設定で、お名前メールの受信サーバーへ正しくルーティングされるようになります。
(末尾のドット「.」は忘れずに。ないと正しく解釈されないことがあります)
設定後、10〜30分ほどでDNSが反映され、テストメール送信を行ったところ正常に復旧しました。
GmailやOutlook、iPhone標準メールアプリでも送受信が確認できました。
DNS伝播の確認:DNSCheckerで世界中の反映を可視化
DNSの変更は即時反映されるわけではなく、サーバーや国によって反映までに時間差があります。
そのため、DNSChecker(https://dnschecker.org/) を使って伝播状況を確認しました。
「MX」「eyerees.com」で検索すると、世界各地のDNSサーバーがどのMXを参照しているかが一覧表示されます。
ここで全サーバーが「mx01.gmoserver.jp」「mx02.gmoserver.jp」を指していれば、伝播完了です。
一部地域で旧キャッシュが残っている場合もありますが、通常は数時間以内に安定します。
DNSCheckerは無料で使えるので、サーバー移行やネームサーバー変更時の必須チェックツールです。
SPF・TXTレコードの再確認も忘れずに
MXレコードの設定だけでメールが届くようになりますが、迷惑メール判定を避けるためにはSPF設定も必要です。
お名前メールを使う場合は、以下のTXTレコードを追加しましょう。
| ホスト名 | 種別 | 値 |
|---|---|---|
| @ | TXT | v=spf1 include:gmoserver.jp ~all |
これにより、「お名前.comのメールサーバーからの送信は正当なもの」と認識されます。
SPFが未設定だと、特にGmail宛のメールが迷惑メールフォルダに入りやすくなるため要注意です。
また、DKIMやDMARCの設定も同時に確認しておくと、将来的なセキュリティ強化にもつながります。
トラブルが発生した背景:移行チェックリストの甘さ
今回の最大の問題は「事前チェックリストにDNSレコード確認が含まれていなかった」ことです。
Webサイトの表示・SSL化・リダイレクトは入念に確認していましたが、メールの仕組みまでは見落としていました。
特に「Webとメールを別サーバーで運用している場合」、DNS管理をどちらで行うかがトラブルの分岐点になります。
メールはお名前.com、WebはConoHaという“ハイブリッド構成”をとるなら、以下のようなDNS構成を意識する必要があります。
- Aレコード → ConoHa(Web)
- MXレコード → お名前メール
- TXT/SPF → gmoserver.jp
- CNAME → www → eyerees.com
この「役割の住み分け」を正しく理解できていないと、移行後に思わぬ副作用が起きます。
DNSの仕組みを理解する:なぜMXレコードが重要なのか
DNS(Domain Name System)は、インターネット上の住所録のようなものです。
Aレコードは「このドメインのWebサイトはどのサーバーにあるか」を示し、
MXレコードは「メールをどのサーバーに届けるか」を指定します。
つまり、WordPressをConoHaに置くとAレコードがConoHaを指しますが、
お名前メールを使うにはMXレコードがgmoserver.jpを指していなければいけません。
ネームサーバーを切り替えると、DNSゾーンが丸ごと新規作成されるため、
お名前.com側のMX設定は自動的に引き継がれません。
これを知らないまま移行すると、今回のような「メールだけ届かない」状態が発生します。
実際に発生した影響:業務メールのロストと信頼低下
今回の不達期間は約12時間。
この間に、複数の顧客問い合わせ、社内連絡、WordPressバックアップ通知メールなどが受信できませんでした。
また、送信側には「550 エラー:Recipient address rejected」と表示され、相手には不安を与える結果となりました。
ビジネス用途では、メール停止=信頼喪失 に直結します。
今回の経験を通じて、サーバー移行時は「メールが届くかどうか」を最優先で確認すべきだと痛感しました。
再発防止策:移行前後に必ず確認すべき5つのポイント
トラブル後、再発防止のために以下のチェックリストを作成しました。
- DNSレコードを事前に全コピーしておく
- お名前.comで「DNS設定」→「TXT/MX/A」すべて控える。
- ConoHa側にMXレコードを手動追加
- mx01.gmoserver.jp / mx02.gmoserver.jp
- SPFレコードの設定を確認
- include:gmoserver.jp を忘れずに。
- DNSCheckerで伝播確認
- 世界的に反映されているかチェック。
- 送受信テストを複数環境で行う
- Gmail、Outlook、iPhoneでそれぞれ送受信確認。
これを徹底することで、再発のリスクはほぼゼロに抑えられます。
学びのまとめ:DNS移行は“設定ミスではなく理解不足”から起こる
今回の経験を通して感じたのは、
DNSトラブルは「設定ミス」ではなく「仕組みの理解不足」から生じるということです。
ネームサーバーを切り替えるという行為は、
“誰がこのドメインの住所録を管理するのか”を丸ごと移す行為です。
そのため、引き継ぎたいレコード(特にMX・TXT・SPF)をすべて再登録しなければなりません。
また、移行完了後も数時間〜半日はメール不達のリスクを見込み、
大事な連絡や受注メールがある場合は移行タイミングを深夜や休日に行うのがベストです。
でじたるあそび編集部から:同じ失敗を防ぐために
「でじたるあそび」では、今回の実録を通して感じた“個人クリエイターや小規模事業者でもできる安全なWordPress運用”をこれからも発信していきます。
サーバー移行やDNS構成、メール運用などはすべてWeb運営の“裏側の要”です。
サイトのデザインやSEOだけに目を向けがちですが、基盤を整えることがブランド信頼の第一歩です。
同じように「ConoHa WINGとお名前.comを併用したい」「WordPress移行を安全に行いたい」という方は、
この事例をぜひ参考にしてください。
執筆:渋沢A壱(でじたるあそび編集部)
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